障害年金とは
障害年金とは、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から給付される公的な年金の1つで、65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金で、この年金制度は国民の権利ですから、もらえる障害、症状がある場合は、必ず申請するようにしましょう。
障害年金を自分で手続きしよう!と思われる方がいらっしゃいますが、申請の進め方を誤ると認定の部分で低い評価となり、最悪の場合障害年金がもらえないということにもなりかねません。
初診日について
初診日とは、障害の原因となったけがや病気について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。
この初診日を特定することは、障害年金の請求においての第1歩となり、とても大切です。
受け取ることができる障害年金の種類や金額は、この初診日に加入していた年金制度で決まります。
具体的には、次のような場合が初診日とされています。
- 初めて診療を受けた日
- 同一傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診
- 察を受けた日
- 健康診断により異常が発見され、療養に関する指示を受けた場合は、健康診断の日
- 誤診の場合であっても正確な傷病名が確定した日ではなく、誤診をした医師等の診療を受けた日
- じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日
- 障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日
障害認定日について
「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、初診日から起算して1年6月を経過した日または1年6月以内に治った場合には治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)をいいます。
障害年金の対象
- 原則として20歳~65歳までの方
- ペースメーカーや人工関節を体に入れた方、人工透析を受けている方、精神疾患など(詳細は下表をご覧ください)
眼 | 緑内障・白内障・網膜色素変性症・網膜剥離・ブドウ膜炎・眼球萎縮・網膜脈絡膜萎縮 など |
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聴覚・平衡感覚 | メニエール病・感音性難聴・突発性難聴・神経性難聴・頭部外傷又は音響外傷による内耳障害 など |
鼻腔 | 外科性鼻科疾患 など |
そしゃく・嚥下・言語 | 失語症・喉頭全摘出手術・上顎腫瘍・喉頭腫瘍・上下顎欠損・脳血栓 など |
肢体 | 事故によるケガ・上肢または下肢の離断または切断障害・骨折・脳卒中・脳出血・くも膜下出血・脳梗塞・脳軟化症・関節リウマチ・ビュルガー病・筋ジストロフィー・パーキンソン病 など |
精神 | うつ病・そううつ病・統合失調症・老年及び初老期痴呆・てんかん・知的障害・発達障害・高次脳機能障害・アルコールによる精神障害・アルツハイマー病・その他詳細不明の精神病 など |
呼吸器 | 肺結核・じん肺・慢性気管支ぜんそく・慢性気管支炎・肺気腫・膿胸・肺線維症 など |
心臓 | 拡張型心筋症・心筋梗塞・動脈硬化・狭心症・慢性心包炎・悪性高血圧・高血圧性心疾患 など |
腎臓 | 慢性腎炎・慢性腎不全・糖尿病性腎症・ネフローゼ症候群・慢性糸球体腎炎 など |
肝臓 | 肝炎・肝硬変・肝がん など |
血液 | 再生不良性貧血・溶血性貧血・白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・骨髄異形性症候群・HIV感染症 など |
その他 | 悪性新生物(がん)・糖尿病・人工肛門・人工膀胱・尿路変更・潰瘍性大腸炎・その他生活や労働に制限を及ぼす傷病 など |
老齢年金に比べると認定基準などが複雑ですので、障害年金申請の専門家である社会保険労務士(社労士)にご相談されることをお勧めします。